私的世界・・

漫画やアニメの感想、日々の徒然を思いつくままに綴っています。

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亡鬼桜奇譚

泣けます・・



花の名前』の
斎藤けんさんの短編集です。

収録されているのは、

表題 『亡鬼桜奇譚
   『無限時計
        『サンドグラスの檻
    『花のカノン

どれも良い話ですが、ちょっと重いです。

でも、すごく良い話ばかりです!!

表題作はとにかく泣けます。

 



↓【あらすじ】と【ネタばれ感想】はコチラ


亡鬼桜奇譚

【あらすじ】
旅人の正親(マサチカ)は、旅芸人一座の中で桜吹雪の様に美しく舞う「鬼」の娘に心を奪われ、
有り金をはたいて身請けする。彼女に「桜花」と名付け、共に旅をするうちに心が通い始めるが、
ある村で咲かない桜に出会い・・。

ネタばれ感想】
泣けます・・。
こればかりですが、とにかく泣けます・・。

正親が 「こんな恥ずかしいことはもっと時が経ったら言おうと・・」 と思う場面で、
必ず涙がこぼれてしまいます。

角のある桜花は、不思議な力があって、人と同じ物が食べれないなど、
姿だけでなく本当に人とは違う存在のようなのですが、心は人と変わらないのです。
ひどいことをたくさんされてきて、表情もなく、
ただ受身である桜花が、少しづつ心を開きかけてきて
正親に優しくされて泣いてしまうのがつらいです。
心を凍らせてきて、やっと心がほどけてきたら、
桜花は過去のあまりの仕打ちに耐えられなくなってしまうのです。

心の傷はずっと人を苦しめるのかもしれません。

正親がお坊さんの格好をしながら、実はただの不良坊々で飄々としているのが好きです。
やんちゃをし過ぎてお金とともに家を追い出されたという放蕩息子です。
お坊さんの格好をしているのは、ぼーっと立っているとお布施が貰えるからだそうです。
その彼が有り金をつぎ込んで、何を引き換えにしても欲しいと思った桜花。
彼女の境遇に正親も傷ついたに違いありません。

桜花が裸になった時に 「鬼の女は珍しいってみんな好きにするよ」 と感情なく言った時に。
歯がずいぶん欠けたりなくなったりしているのを聞いた時には
「殴られたり蹴られたりした時に折れたか抜けたかしたんじゃねぇかと・・」 とまるで殴られるのは
日常的なことと言わんばかりで。

そして、
桜花の決断に、何よりも傷ついたろうと思うのです。

桜花は角を見られて鬼として追われてしまいます。
村から出れなくなり、桜花は自ら捕まり首をはねられてしまうのです・・。

咲かない桜は桜花の死を悲しんでか一気に咲き誇り、一晩で散りました。
その後村は零落していきました。

ラスト何十年か後に托鉢僧となった正親が桜の根元に祠を建てるように言います。
その後咲かない桜は毎年一晩だけ見事な花を咲かせるのです。

けれど、この間の何十年か、
正親はきっとずっとあの日眠ったことを後悔するのではないかと思うとやりきれません。
桜花がなぜ死を選んだのか、正親と幸せになれたはずなのに。
きっと、心の闇はとても深くて、桜花の心はこれ以上の悲しみには耐えきれなかったのでしょう。
正親と一緒にいられなくなる日がくるかもしれない、そんな恐怖だけでも。

人は差別したりいじめたりを簡単にやってしまうから、
心を傷つけるのは、本当に簡単なことなのだろうと思います。
でも、傷つけられた方がそれを癒すとなると、それは大変なことです。

色々考えてしまう作品です。
そして、とにかく泣けます・・


無限時計

【あらすじ】
世界は二つの時計によって成り立っているといわれる世界。
一つは世界の寿命を示す「無限時計」。
一つは人の寿命を示す「銀時計」。
銀時計は全ての人が左手に持っています。
ミューはそんな世界が大嫌いな女の子。
時計から自由になりたいと、限られた世界から出たいと願っています。
そんなミューが、人より時計の進みが早いカイと出会い・・

ネタばれ感想】
ミューが少女ならではの、ワガママで、無神経で、
だけど傷つきやすくて、という素直さが可愛いです!
カイは人より早く寿命がくることが決められているから、
何かに熱中したり、固執しないよう自ら決めているようなところがあります。
少年少女の初恋がもどかしく描かれています。

でも、二人に時間はないのです・・。

二人を出会わせたといっていい画家のグザイさんは優しいけど影のある人です。
ミューが「山の向こうに行きたい」と言った時に
「行けばいいじゃない」と突き放したように言ったりします。
恋人が死んだ時に首をかっ切ったようなことを言ったり・・
それでも、時計が終わっていなければ再生するのだそうです。
人の運命は銀時計に委ねられているのでしょう。

時計に支配された世界は閉塞感があります。
みんなが優しいのも、諦めに似た悟りの境地のように見えてなりません。

ミューの友達テータがしっかり者で良いです。
頼りない子にはしっかり者の友達がいるものよね!

最後悲劇的なようでいて、ミューはしたたかで、強い女性になりそうだと予感がします。

サンドグラスの檻

【あらすじ】
国王ロイ17世はある館で目覚める。
側にはメイドが一人。
彼女は首都に暴動が起こって避難しているのだと言う。
だが、これは復讐だった。
ロイは記憶ごと体が1年ごとに若返っていく・・

ネタばれ感想】
メイドが黒いです。
薄気味悪いと言われていますが、たしかに・・。
最後ロイを送りだす満面の笑みでさえ、何か企んでない?的な・・。

とりあえず一番割に食わない役は、メイドのお師匠様でしょう。
メイドに魔術を教えた常識的な人です。
復讐をやめるよう忠告して毒殺されてしまいました・・。

ロイは悪名高き暴君で、恨みをもたれて仕方のないどうしようもない人間でした。
はじめは・・。

ところが、若返っていくうちに、彼はどんどんと素直で、優しい青年になっていくのです。
彼が革命で処刑されるような暴君になったのには理由がありました。
大好きな双子の姉、アン王女を権力闘争で暗殺されてしまったからです。
ロイは絶望し、国をめちゃくちゃにしてやろうと復讐していたのでした。

大切な人を失ったための復讐という、メイドと同じ理由・・

よくできた話です。
ロイが最後、メイドの魔術から解き放たれて、新たに人生を歩み出す場面。

人を許すということが何となこういうことか、と思います。
短編集では、こちらが表題になりそうな作品です。


花のカノン

ネタばれ感想】
男の子は友達のお見舞いに行こうと花を買ったのだけど、
どうしても勇気がでなくて通りすがりのおばさんに花をあげてしまう。
その花が巡り巡って入院している女の子の手に・・ というお話です。

男の子から突然花束をもらったお母さんは入院している子供を励ましてあげたいと子供に花をみせます。
けがをして入院している男の子はお母さんの優しさに素直になれなかったけど、花を「きれい」と言ってお母さんを笑顔にします。
男の子からお花をもらった看護婦さんは失恋したばかりで、
なぜあの時花をもらって「ありがとう」と言えなかったのかと後悔しています。
そして、友達とふざけていたら階段から落ちてしまい、一生歩けなくなってしまった女の子は、
男の子を「どうしたら許してあげられるのか」と泣いています。
看護婦さんは「お花をもらってありがとうという気持ちが大切なんじゃないかな」と1輪の花を手渡します。

花が人の優しさを巡って
最後男の子に花のような笑顔を贈るのです。

こちらも許しの物語。
許すのも、許されるというのも、難しいことなのではないかと思います。

優しい作品です。
斎藤けん
[ 2009/07/03 17:33 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)
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主にアニメや映画の感想、行ったイベントの感想などを備忘録的に綴っております。
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